私が子供の頃、
”指を立てて”とか”卵の形で”と言われたり
”手の甲を下げないように消ゴム”を乗せたり
今考えると逆効果のことが当時の常識でした
大人の生徒も教えるのですが、子供の頃習っていたとおっしゃる方
もれなく手首や上腕ガチガチ、手の形がかたまって弾きにくそうにしています
こうなってしまった手をほぐすことはかなり苦労します
でも私が心も体も楽になるよう教えるとみなさん驚かれ、
そして、感激されます
形をまじめに守ってこられた方々なので、新鮮なのでしょうね
そして心と体を解放してピアノを楽しめることが心から嬉しいのでしょう
子供達には心身を窮屈にする指導は絶対にしてはいけません
私の紹介
ピアノ講師歴10年
私の生徒は皆譜読みがとっても得意で練習も沢山してきます
他の先生から移ってくる生徒も1ヶ月あれば譜読みが得意になり
積極的に練習するようになります
「自分の子供がこんなにピアノを得意になるとは思っていなかった」
「先生に教わるようになってから練習するようになった、弾き方が変わった(本格的になった)」
「(子供が、自身が)もっと早く先生に出会いたかった」
この類の嬉しい言葉をほぼ100%頂けます
(親御さんが完全に放置していて子供の上達に気付いていない場合もあるので”ほぼ”です)
よく見る”間違った”指導
「第一関節が折れないように」
反対方向に折れてしまうことを直そうと言われることですが、
解決方法の提案がなく困ってしまいますね
「第一関節を立てて」
↑の形を直そうと言われることですね
立てると確かに折れてしまうことはなくなるかもしれません
しかし実際に関節が反対に折れてしまわないくらいに立たせてみると分かりますが
爪が当たりませんか
私の元へ移動してくる生徒で、テキストなんかに指の絵が描かれて上記の注意書がある生徒
もれなく全く改善しようとしていないか、ぎこちない動きをしているか、どちらかです
「猫の手、卵をつつむように」
これは手の甲から指の付け根を固めてしまい、
指を自由に開いたりすることに支障が出ます
こちょこちょその場でしか動かせなくなっている大人の生徒も見ました
「背中真っ直ぐ、いい姿勢で」
美しい立ち姿とピアノを弾く上での最適な姿勢は違います
このせいで身体~腕をしなやかに使えず、
窮屈な動きの中での演奏で、音が響かない生徒もよく見かけます
上記の指導は本当によくないですが
何もコツが指導されないまま、
ピアノ習いたての幼児のような手つきの生徒もかなり多く見ます
年齢を重ねるほど染み付いた演奏フォームを変えるのは難しいですから、
今習っている方々も、上記に当てはまったらこっそり直してください
先生達もきっとそのように教えられてきたのだと思います
それでも何だかんだ上手になったタイプの人で、
そのままピアノの先生になっているわけですから
正しいと思っているのですよね
最適なフォームとは
身体が思い通りに自由に動かせる形
手と指
脱力したときの自然な形で鍵盤に置いてください
指は曲げることも伸ばすことも意識せず、
手のひらは閉じることも開くことも意識せず、
ぷらぷらと振った後、5つの鍵盤に1本ずつ指を置いてみてください
そのまま弾きます
手首、甲の高さ
意識すると固まってしまいますから
指の方から変えます
指を立てるのではなく、爪があたってしまう指の頂点から少しだけ角度を緩めたときにあたる場所で
鍵盤を触るようにします
そうすると自然に手の甲と手首は上がりすぎず下がりすぎず最適な位置にきます
腕、肘、肩
肩はストンと落とします
腕は肩にぶら下がっているだけです
肘も開いたり閉じたりせず、肩にぶら下がりふわふわさせておきます
強弱をつけたいときにもぶら下がっていたら差が生まれないので、
関節は緩めた状態で、二の腕の後ろの筋肉を使い押したり引いたりします
足
足の裏をつけます
膝は開きもせず閉じもせず、左右は身体から伸びているままの距離で離します
しかし本当に基礎も身体に染み付き、全身を解放して自由に音楽を奏でることが出来るようになれば
必ずしも足はきちんと置いておかなくても構いません
骨盤が安定していれば何とかなるからです
腰、背中
いい姿勢といえば背中ピーン!
子供たちはそう教えられ筋肉が固まり動くことがままなりません
骨盤から変えます
骨盤を立たせると背骨は少し反った状態になります
そこから息をふっと吐き、楽にしてください
そのときの位置が一番楽で自由に動く状態です
ふーっと大きく息を吐いては、だらけただけの姿勢になってしましますから
ふっと少しだけ緊張を緩めるくらいでいいですよ
骨盤の上に背骨が立っていて上半身がふわふわ前後左右に動くことが出来るか
確認してください
以上の状態が最適ですが、以下のことを注意してください
大切なこと
形をキープしようと思わないで
動かしにくいと感じるならばどこかに力が入っています
関節を緩め、全身を解放して
自分の奏でる音楽が一音一音身体に染み込んでいくように感じてください
終わりに
以上のことを参考に、
おすすめのテクニックのテキスト、バーナムもどうぞこのように取り組んでみてください