ヤマハ演奏グレード 10級~初見を得意にする方法~

ピアノ

ヤマハ演奏グレード の受験を考えたとき、最初に立ちはだかるのが初見演奏。

現役ピアノ講師である私の生徒はみんな得意で、もれなくA判定をもらってきます。

ということは、訓練の仕方にコツがあるのです。

今回は10級の内容に焦点を当てて練習法をお教えします。

 

ヤマハ演奏グレード 10級初見の出題範囲

 

調性

  • ハ長調
  • ト長調(#1)
  • ヘ長調(♭1)
  • イ短調

 

拍子

  • 4分の4拍子
  • 4分の3拍子

 

和音

10級は単音です。

  • Ⅴ7

 

何はともあれ初見演奏

 

初見が出来るようになれば曲に取り組むのも楽になります。

また、これからお教えする方法で練習すれば

伴奏付けの感覚も養うことが出来ますから、

選曲よりもまず初見演奏の対策に取りかかってください。

 

読譜力アップのためには

 

普段からこちらの方法で読譜力を鍛えておくというのも大事です。

効率よく強固な力をつける方法を紹介していますから是非ご覧ください。

 

初見問題集を使って初見の練習だけをしない

 

普段のテキストはスッと頭に入ってくるのに、

初見問題集になると急に真っ白になるという子供は多くいます。

ですので受験を決めたら初見問題集を用意することが必要です。

しかし、初見の練習だからと目の前に始めての曲をパッと出して

「さあ、30秒で読んで!」

と指導していませんか?

それだといつまで経っても状況は変わりません。

そこで大事なのが練習するということです。

 

①調性を理解する

曲には調性があります。

その調性で弾くためのポジションをまず覚え、

楽譜を見た瞬間に手が鍵盤に置ける状態を作ります。

 

  • ハ長調

ドレミファソのポジション

  • ト長調(#1)

ソラシドレのポジション

  • ヘ長調(♭1)

ファソラシ♭ドのポジション

  • イ短調

ラシドレミのポジション

 

②和音の役割を理解する

読み方は1度

調の1番目の音(主音)を根音(和音の一番下の音)に持つ和音

ハ長調ならドミソ

イ短調ならラドミ

いわゆる”きをつけ”の号令の和音

 

  • Ⅴ7

読み方は属7(ぞくしち)

調の5番目の音を根音に持つ和音が(5度)

ハ長調ならソシレ

イ短調ならミソ#シ

その和音の根音から数えて7番目の音を加えた和音

ハ長調ならソラシドレミファを加えて

ソシレファ(第1転回形であるシファソの形でおなじみ)

イ短調ならミファソ#ラシドを加えて

ミソ#シレ(第1転回形であるソ#レミの形でおなじみ)

 

いわゆる”おじぎ”の号令の和音

 

10級では和音でなく、根音のみが伴奏として使用される。

ハ長調なら

Ⅰ→ミソ

Ⅴ7→シレファ

イ短調なら

Ⅰ→ドミ

Ⅴ7→ソ#シレ

 

単音2つとはいえ、その役割を把握しておくのがコツです。

きをつけのド

おじぎのソ

というように。

”おじぎ”のあとには必ず”きをつけ”です。

役割で認識することにより、曲の展開のなかで音を予測することにも役立ち、

どの調にも対応できるようになります。

 

③拍子を理解する

  • 4分の4拍子

1小節に4分音符が4つ

  • 4分の3拍子

1小節に4分音符が3つ

 

④一曲を体が覚えるまで練習

以上の要素が理解出来たら繰り返し弾いて覚えましょう。

まずはハ長調4拍子の曲を完璧に弾けるようにします。

読むのに時間がかかると思いますが、

とりあえず一曲を覚えるために何度も練習します。

そのとき必ず

音名で歌いながら

拍子を数えながら

実際に声を出して練習してください。

声に出すことで理解も深まります。

 

⑤移調する

これが一番役立ちます。

ハ長調の曲が弾けるようになったらあとはポジションをずらすだけ

ソラシドレに手を置いて同じように動かすとト長調の曲に。

ラシドレミみ手を置いたらあら不思議、暗い響きのイ短調の曲に。

そうすることで、一音一音追うのでなく、

フレーズを線でとらえ、ⅠとⅤ7を役割として覚えることが出来るのです。

 

④⑤を繰り返す

一曲ごとに繰り返してください。

移調によって気分も変わり、その分達成感も得られますよ。

自然と譜読みの能力もついてきます。

 

実践

 

手は膝に置いて、心のなかで読みましょう。

 

①調性判断

まず楽譜の一番最後の音と調号(#♭)を見て調性を判断しましょう。

ポジションが決まります。

 

②拍子を見る

4拍子なのか3拍子なのか見ましょう。

 

③伴奏を見る

ポジションが決まっているので読みやすいはずです。

 

④フレーズの最初と最後の音を見る

フレーズごとに線で見るようにします。

実際弾き始めたとき切れ目で息継ぎが出来るといいですね。

 

⑤時間が来るまで読む

あとは30秒の時間が来るまで読んでいっていいです。

 

おわりに

これらの練習を重ねることで得られる効果はたくさんあります。

音楽の法則を理解し体で覚えておくことは、

速く楽譜を読むことを手伝ってくれます。

声に出しながらの練習は、音を覚えやすくするだけでなく、

起伏のある演奏に繋がるので高得点が獲得できます。

ぜひこの練習を取り入れ、自信を持って受験に望んでくださいね。

タイトルとURLをコピーしました